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外観検査をロボットによる自動化へ移行するメリットとは?不良品流出0を目指す取り組み

コラム
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L-QUALIFIイメージ

今日の製造現場において、さまざまなロボットが活用されるなか、外観検査工程でのロボット活用が注目され始めています。今回は「外観検査におけるロボット活用」にフォーカスを当ててご紹介します。外観検査をロボット化することでどのようなメリットがあるのか、人による目視検査との違いについて詳しく説明していきます。

外観検査のロボット化が注目されるワケ

外観検査のロボット化が注目されるワケ

製造現場での外観検査は、その多くが「人による目視」によるものですが、人による目視外観検査は様々な課題を抱えています。

人による外観目視検査の課題

  • 検査基準のブレ
  • 人材不足
  • 不良品流出のリスク

どの課題も外観検査工程だけでなく、多くの製造現場に共通する課題といえますが、特に検査において近年問題視されています。

現在、量産品の製造現場において検査工程では抜き打ち検査や検査項目の簡略化を実施するなど、検査の負荷や工数を少なくする取り組みは既に一般的に行われています。

一方で、重要部品や、過去に不良が発生した製品は全数検査を実施することが多く、まさに人海戦術のような形で外観検査に対応しているケースを耳にします。全数検査は多くの人員とコストが掛かり、工場全体もしくは会社の業績に大きな影響を与えることも。

「このまま、外観検査を人による目視検査に頼ったままで良いのか?」

こうした問いを抱える現場も多くあるはずです。外観検査における課題について、もう少し詳しく見ていきましょう。

検査基準のブレ

検査のブレは主に「属人化」と「拠点間での基準ブレ」によって発生しています。公益財団法人 中国地方総合研究センターによる「中国地域製造業における検査工程の状況」によると、回答した企業の7割近くが検査工程の難しさについて「検査能力の個人差が大きい」と答えています。

さらに、生産拠点のグローバル化に伴い海外に工場をもつ企業が増え、拠点間での基準ブレに悩まされる企業が増えています。特に、多くの人員獲得や設備投資が困難な中小企業では、より難しい課題となっています。海外拠点に赴任した経験がある方は、各地の日系企業が品質問題を多く抱える姿を目にしていると思います。

深刻化する人材不足

「人材不足」も、ロボット化が必要とされる要因のひとつとなっており、さらに「教育コストの高さ」も企業にとって大きな負担になっています。例えば、溶接ビードの検査では溶接部の形状と色などから良、不良を検査しますが、対象ごとにわずかに形や色が異なる溶接ビードの形状を正確に判定できるようになるまでに多くの経験と時間が必要です。

こうした「人材不足」と「教育コストの高さ」が相まって、産業全体で人手不足感が高まっています。

不良品流出のリスク

「コストを下げつつ良いものを安定して作らなければいけない」という難しい時代になってきたわけですが、完成品を手掛けるメーカーも必死です。製品の価格競争が厳しさを増していることに加え、ひとたび不良品が発生すると大規模なリコールに繋がり大きな損失を出すばかりか、メーカーの信用に傷がつき将来的な売上にも多大な影響を与えます。

不良品を流出しない、すなわちリコールを起こさないことは、自社の存続に関わる問題として、完成品メーカーと部品メーカー両者にとって大きな課題となっています。

ロボットに外観検査を任せるメリットとは?

ロボットに外観検査を任せるメリットとは?

ロボットと外観検査の組み合わせは、これまで技術的な問題とコスト面からなかなか導入が進みませんでした。しかし、技術の進歩と産業用ロボットの汎用化により、今後は広く活用されていくでしょう。ロボットに外観検査を任せることで、次のようなメリットが期待できます。

ロボット×外観検査のメリット

  • 高速で正確な外観検査
  • 均質化と省人化を実現
  • 24時間稼働が可能

これらのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

高速で正確な外観検査

製造ラインにおいて全数検査を行うのは多くの人的リソースと費用が発生します。加えて、人による検査では不良流出の問題がつきもので、仮に熟練した検査員を複数並べていたとしても、人である以上気の緩みやミスが起こり得るため、不良品の流出を完璧に防ぐことは不可能と言えます。

対して、ロボットによる外観検査であれば、気を緩めることなく常に同じ基準で判定し、より高速に良し悪しを判定することが可能です。特に、判定の正確さは多くの企業にとって大きなメリットになります。

常に正確な判定ができる外観検査ロボットを導入することで、製品の信頼性が向上するとともにポカヨケにさいていた工数を削減できるなど、生産ライン全体のコスト削減にも繋がります。

均質化と省人化を実現

外観検査ロボットは、勤務地の違いや国、環境といった変化の影響を受けないのもポイントです。これまで多くの企業が抱えていた、拠点間での品質レベルの違いについて、外観検査ロボットを導入することで常に高品質、均質化された製品の供給が可能になります。

これまで複数の検査員を並べていた製造ラインであれば、検査ロボットに置き換えることで検査員が不要になり、貴重な人的リソースを他の分野に回すことができます。

24時間稼働が可能

24時間稼働する生産ラインを持つ工場では、2直や3直をこなすために、多くの人員を確保する必要があります。数十年前であれば欠員を埋めるために作業員の長時間残業などで対応できましたが、近年では、働き方改革の推進により難しいのが現状です。

外観検査ロボットであれば、交代要員を準備する必要がなく。常に稼働し続け、24時間検査を行うことが可能です。安定した検査が約束され、生産計画をよりスムーズに組むことも可能になります。さらに、24時間稼働を続けることで、生産効率の向上も期待できます。

外観検査のロボット化で不良品流出0を目指す

ご紹介してきたように、外観検査はこれまでの人の目に頼った検査から、ロボットを活用した自動化を進める必要があります。

「そんな都合の良い外観検査ロボットがあるのか?」と思った方も多いでしょう。すでに、弊社では、溶接ビードの外観検査ロボット『L-QUALIFY』の開発と、複数の導入実績を持ち、同分野で積極的に開発を進めています。

昨今問題となっている製品の品質問題と不良流出を防ぐため、不良品発生のプロセス「流出源」の対策として、外観検査のロボット化を進めてみてはいかがでしょうか。

リンクウィズの「L-QUALIFY」で目視検査をロボット化

リンクウィズの「L-QUALIFY」で目視検査をロボット化

リンクウィズの『L-QUALIFY』を導入すれば様々な検査工程の自動化が可能です。ロボットとソフトウェアの力で熟練検査員の目視検査を再現する取り組みを進めています。

『L-QUALIFY』で実現できること

  • 正確な全数検査により不良流出ゼロに
  • 多関節ロボットとセンサ、ソフトウェアの組み合わせで複雑形状の検査に対応
  • 汎用性の高いロボット検査システムで専用検査治具を不要に

検査工程を人による目視検査からロボットによる自動検査に置き換える、限られた人材の活用にも繋がる『L-QUALIFY』について、まずはお気軽に『リンクウィズ』にお問い合わせください。

リンクウィズは、自律型ロボットシステムソフトウェアの開発・販売・技術コンサルティングを行っているロボットベンチャーです。

みなさまの製造・検査の課題について、ぜひリンクウィズにご相談ください。

導入から運用まで、ハードウェアとソフトウェアにおける、どちらも経験豊富なエンジニアを抱える弊社から、最適なご提案をさせていただきます。

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