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コロナ禍でロボット活用が期待される状況とは?

コラム
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コロナ禍でロボット活用が期待される4つのポイント

未だ終息を迎える気配を感じられない新型コロナウイルス感染症。日本国内での感染者・死者数は世界と比較すると少ないものの、まだまだ油断できない状況となっています。そんなコロナウイルス騒動で様々な企業が減収減益となっているなか、数多くの施設でロボットの導入が進められているのをご存知でしょうか?
というのも、このコロナ禍では、たとえ工場内といえど感染リスクを最小限に抑えるために接触や対面を避けることが重要視されています。そこでウイルス感染の心配がないロボット活用の需要が高まってきていると言うのです。実際に、ロボティクス関連企業への問い合わせは、ここ半年間でなんと5倍にも増加していると言われています。

今回は、そんなコロナ禍において自動化や産業用ロボットはどれほど活用できるのか?についてご紹介していきます。新型コロナウイルスの影響とは別に、さまざまな問題の解決や作業効率の向上などに向けてロボットの活用・導入が話題となっていましたが、このコロナ禍で期待されているロボットの活用法には何があるのでしょうか?

生産現場でロボット活用が期待されるポイント

生産現場でロボット活用が期待される4つのポイント

新型コロナウイルス感染拡大によって求められているもの。それは、「対面」「接触」の機会をできるだけ減らすことではないでしょうか?どのような業務でも対面や接触は避けられないものですが、かといって作業員を減らし、生産数を低下させてしまうのは現時的ではありません。
しかし、ロボットを活用すればコロナ禍による対面や接触を最小限に抑えることができます。また、ロボット活用が期待されるものはそれだけではありません。ここでは、コロナ禍でロボット活用が期待される4つのポイントをまとめてみました。

対面・接触による感染の防止

ロボット活用が期待される1つ目のポイントは、やはり感染リスクを伴う対面・接触を防ぐことができるということです。ロボットなら感染の心配がなく、遠隔操作によってさまざまな業務を行うことが可能です。
例えば、工場は比較的人が密集しやすい場所ですが、ロボットを活用することで不必要な対面・接触を抑えることができます。その結果、感染リスクを最小限に抑えることが可能になるため、新型コロナウイルスの終息の目途が立たない今、最も活用が期待されるポイントになるのではないでしょうか?

人材不足の改善

ロボットの活用が期待される2つ目のポイントは、さまざまな企業で課題とされている人材不足の改善です。昨今、主に製造業では人材の確保が難しい時代となっているため、人材不足に悩む企業が多いと言われています。
さらに、ロボットによる作業なら作業員同士の対面や接触が少ないため、ウイルス感染の心配も抑えられ、安定した事業経営が可能になることが期待できるのではないでしょうか。

運用コストの削減

近年、労働賃金の上昇により経営が圧迫されている中小企業が増えていると言われています。さらに、コロナ禍によって受注が減少し、経営を続けられなくなったという企業も多数存在しているようです。
新型コロナウイルスの影響で事業収入が減少している企業の場合、現状では経営を維持できている状態でも、運用コストの高騰によって経営不振に陥る可能性は少なくありません。しかし、ロボット導入は当然初期コストがかかりますし、決して安い費用ではありません。ですが、コロナ禍だからこそロボットを活用することで、結果的にコスト削減を実現することができるのではないでしょうか。

5GやIoTで遠隔操作が可能に

コロナはいつ収束するのか、いまだ目処が立っていません。こんな状況が続くことを考えれば、5GやIoTなどの導入はさらに加速していくことが考えられます。人がその場にいなくても、遠隔で操作ができる5Gのテクノロジーはその最たるものでしょう。5Gを使って操作できるロボットや機器はまだまだだ少ないですが、今後増えていくことは間違いありません。

分野によっては期待が高まるが課題も残る

分野によっては期待が高まるが課題も残る

製造業においてロボットの導入は当たり前のものになってきています。しかし、業界によってはロボット導入の期待が高まるものもあれば、課題が残っているものもあると言われています。そこで、ロボットの課題をさまざまな角度から一度見てみましょう。

ロボットの実用化に向けた実証実験では、展示場「東京ビッグサイト」や複合施設「HANEDA INNOVATION CITY」で行われたで検証結果がとても参考になります。
実証実験で行われたのは、「案内」「運搬」「警備・巡視」「清掃」の4つの分野です。それでは、それぞれで検証された結果として期待が高まるもの・課題が残るものについて見ていきましょう。

期待が高まる運搬や清掃、警備業務

人手不足が課題となっている現状では、運搬や警備業務でのロボット活用には期待が高まる分野とされているようです。東京ビッグサイトでは警備・巡視の分野に大きな期待が高まっており、運用コスト削減やより厳重な警備を行えるとして今後は、よりロボットの導入・活用が加速するのではないかと言われています。

HANEDA INNOVATION CITYではスタンプラリーのイベントが行われており、タッチパネル式ディスプレイが搭載された移動ロボットとイベントの景品を運搬する搬送ロボットが活用されてたようです。人と人の対面と接触を防ぐことで感染防止の効果があるのはもちろん、無人でスタンプの付与と景品の受け渡しが可能であることが検証されました。
また、自律移動できる清掃ロボットを使った実験を行った結果、4ブロックに分けた170mほどの通路を清掃員の代わりに清掃できていることがわかっています。

案内業務に残る実用への壁

実証実験で課題が残ると言われた分野が案内業務です。というのも、音声の聞き取り精度に問題があり、話しかけられた言葉をロボットが正しく聞き取れないことが課題となったそうです。
そのため、案内業務にロボットを導入するケースは少なく、案内ロボットを活用するのであれば音声だけではなく、タブレットを使って質問の項目を選択することでサービスを提供するといった使い方が求められるようです。
しかし、技術は日々進歩を続けているので、いずれは精度の高い音声認識が可能となった案内ロボットが開発されるかもしれません。もし開発に成功すれば、案内ロボットの需要は高まり、さまざまな場所で導入が進められるのではないでしょうか。

導入が進み需要が伸びている「消毒ロボット」

新型コロナウイルスの影響で公共施設、医療機関などで導入が進み、需要が伸びている「消毒ロボット」。このような施設は多くの人が集まるため、3密を避ける呼びかけをおこなったり、ソーシャルディスタンスを保っていたとしても、感染リスクは高いと言えるでしょう。
特に、医療施設では二次感染のリスクが考えられるので、除菌・消毒作業には注意が必要になります。そのため、感染被害を防ぐために消毒ロボットの需要が伸びており、導入が進められているようです。そんな消毒ロボットですが、紫外線を照射することで除菌を行う、人が触れる場所に除菌剤を噴射するなど機能を持つものがあります。他にも、手指消毒を行ったり、検温を行ったりするロボットも開発されているため、無人での感染拡大を防ぐ取り組みが可能となっています。

コロナ時代の工場のあり方

コロナ時代の工場のあり方

清掃や消毒、運搬などの分野においては、ロボットの可能性を感じる結果となったようです。一方、案内をするという不確実性の高い業務に関しては、まだまだ解決しなければならない課題があるのが現状です。これを工場に置き換えた場合、定期的な清掃や荷物の搬送など人と直接コミュニケーションをとる現場ではなく、ロボットが単独で動作する場面での活用が有効的に思えます。ただ、昨今の状況を鑑みると、やみくもにロボットを導入するのではなく、人が密集しやすい場所に優先的にロボットを配置して密を避ける取り組みが最優先と言えるでしょう。
これは、何も清掃や運搬などに限らず、生産工程においても言えることです。密集することがリスクとわかっていること、そして今後いつ鎮火するかわからないコロナにおいて、今からロボットを組みわせた取り組みを積極的に進めていくべきでしょう。

ロボット活用は感染被害の拡大防止に繋がる

コロナ禍でのロボット活用は、対面や接触による感染被害の拡大を防止する効果があり、人の集まる施設では二次感染の防止効果が期待できます。また、新型コロナウイルスの感染防止だけでなく、ロボットを導入することで問題視されている人材不足や運用コスト削減にもつながります。

新型コロナウイルス感染症終息の目途が立たない今、自分はもちろん周囲の人の安全を守ることが大切です。そのため、今後もロボット導入が進みさまざまな場所で活用され、今後はさらに需要が高まっていくのではないでしょうか。

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