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職人技継承の問題点と解決策。代役はロボット?

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職人技の問題点と解決策。代役はロボット?

「熟練の職人技」「どんな作業にも取り組む勤勉さ」など、こうした評価を世界中から受けていた日本の製造業。特に、現場で長年の経験によって身に付いた「匠の技」を持つ職人は、質の高い製品を製造するには欠かせない存在です。
しかし、そうした職人は高齢化などにより年々減少傾向にあり、他の作業員への技術継承が思うように進んでいないのが現状です。そのため、今後は「熟練の職人スキルに頼らない製造現場」が、日本の工場に求められています。

その課題解決に繋がると言われているのが「産業用ロボット」の導入です。ロボットが職人の代役になるのか?と疑問に思うかもしれません。そこで、この記事では、職人スキルの継承が難しい理由や、産業用ロボットを導入することで解決できる課題についてご紹介していきます。

職人スキルの継承は難しい!その理由とは?

職人スキルの継承は難しい!その理由とは?

さまざまな製造現場では、質の高い製品をつくるために職人は欠かせない存在です。しかし、少子高齢化によって職人スキルを持つ技術者は年々減少傾向にあり、新たな技術者を育成するためにスキルの継承を考える工場は多いはず。
ですが、「職人の技を継承するのは簡単ではない」という事は誰もがわかっており、技術者の育成は難しく、時間がかかるというのが現状です。
では、なぜ職人スキルの継承が難しいと言われるのか?ここではその理由をご説明します。

技を学ぶ人材の向上心

職人技の継承が難しいといわれる理由には、「技術を学ぶ人材の向上心が低下している」というものがあります。最近ではある程度の仕事ができれば「自分はもう一人前だ!」と思う人材が増えているからだと言われています。
そのため、職人技を軽視してしまい、職人技を身に着けたプロになりたいという強い気持ちが芽生えないなど、学ぶ側の低い向上心がスキルを継承できないことに繋がっています。

スキルの継承方法に問題がある

職人スキルの継承方法ですが、技術者から作業工程を聞き取った内容を文字に起こしたり、作業風景を撮影した映像や画像を基に後進を育成している工場は多くあります。しかし、実際には文字や映像だけでは職人を育てることはできません。
というのも、伝えられるのは作業工程や現場での雰囲気や手順だけであって、プロの職人が大切にしている重要なポイントを継承できないからです。また、職人スキルを持つ技術者の中には見込みのある人材でなければ技を教えない方もいるようです。
さらに、最近では職人技を身に着けたいという人材が少ないこともありスキルの継承を考える技術者が存在していても、継承する相手がいないという状況になりつつあります。

職人が忙しすぎる

職人は通常の業務をこなしながら、スキルを継承していかなければなりません。しかし、その肝心な「継承する」時間が取れないという問題も出てきます。特に職人に頼り切ったオペレーションを組んでいる場合、時間がないというのは一番大きな課題になります。

職人は必要だが頼り切ることができないのが現状

職人は必要だが頼り切ることができないのが現状

ご紹介した理由から、職人技の継承が難しいことがお分かりいただけたと思います。そのため、さまざまな製造現場では職人が減少しているのが現状です。中には、継承されず技術が失われてしまった工場もあるでしょう。

しかし、そのほかにもっと根本的な理由が存在します。
その理由とは、製造業の大きな課題でもある「人材不足」と「職人スキルを持つ技術者の不足」です。

工場で働く人材不足の深刻化

製造業は昔から、きつい・汚い・危険をまとめた「3K」というイメージがあり、現代でもそのイメージが根強く残ってしまっています。また、作業員に対して好待遇を用意するのが難しいということもあり「応募者が少ない」という理由から人材不足に悩む工場は多いです。
さらに、人材不足が原因で思うように生産数を確保できず業績に影響が出てしまい、既存の作業員に対する待遇が悪化してしまうといった工場もあると言われています。そして、人材不足を改善できなければスキルを継承する作業員がいないため、職人に頼らざるを得なくなるという悪循環が発生しています。

高い職人スキルを持った技術者でも生産数や作業時間には限りがあるので、人材不足はスキル継承に大きな影響を与えていると言えます。

職人スキルを持つ技術者の不足

人材不足は作業員だけでなく、技術者も同じです。そのため、いくらスキルを学びたいと考える人材が在籍していたとしても、教える人がいないという工場も存在しています。
また、技術者が必要な場合は外注するといった方法があるようですが、大きなコストがかかることから雇えないという工場も少なくありません。つまり、製造業界では作業員・技術者などの人材不足が大きな課題となっており、改善するために新しい動きが必要になります。

正しいスキル継承と人材不足の課題を解決するために

これまでの内容から「熟練の職人スキルに頼ってばかりではいられない」「十分な人材の確保が必要である」ということがお分かりいただけたと思います。ですが、ご紹介した内容からではスキルの継承や人材不足の課題解決はなかなか難しいのでは?と思われる方も多いでしょう。
しかし、これらの課題は産業用ロボットの導入やIoTやAIを取り入れた「スマートファクトリーの構築」を目指すことで改善できます。ここでは、そんなスマートファクトリーの構築によってどのように課題を改善できるのか?その理由やメリットをまとめてみました。

産業用ロボットを導入して人材不足を解決

現在の製造業では人材不足が深刻化していますが、解決策として産業用ロボットの導入を進める工場が増加しています。導入コストはかかってしまいますが、単純な作業を人に変わってロボットが務めることで人件費の削減や、人材の配置転換により効率的な環境を構築する可能になります。
また、産業用ロボットは一定の作業スピードを保ったままの作業が可能なので、作業効率や生産性の向上が期待できるといったメリットがあります。

IT技術の活用で職人スキルをロボットが継承

近年、話題となっているIoTやAIといったIT技術を活用することで、産業用ロボットに職人技を継承させることができるようになりつつあります。ロボット技術やそれに関する技術は年々進化しており、職人技の再現はもちろん検査の自動化や搬送作業の自動化など、様々な現場で産業用ロボットが活用されています。

今後の工場に求められるものは課題解決に向けた行動と姿勢

産業用ロボットやスマートファクトリーの構築は、「職人スキルの継承」「作業員や技術者の不足」といった製造業が抱える課題を解決へと導くことができます。こうした課題解決が今後の製造業に求められるものであり、必要な行動や姿勢になるのではないでしょうか?
産業用ロボット活用やスマートファクトリー構築の第一歩を私たちリンクウィズと一緒に踏み出してみませんか?

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