TOPICS

製造業で拡大するデジタルツイン。拡大する理由と事例をご紹介!

コラム
公開日 : / 最終更新日 :

近年、よく耳にする言葉として注目を集めている「デジタルツイン」。IoTやAIといったデジタル技術の進歩により普及が進んでいるため、さまざまな業界で導入が進んでいます。 主に製造業を中心に導入が進んでいるデジタルツインですが、導入拡大が進む理由には何があるのでしょうか?また、デジタルツインを導入した活用事例にはどういったものがあるのでしょうか?

この記事では、デジタルツインが製造業で拡大する理由や活用事例などをご紹介していきます。他にも、デジタルツインの基礎知識についてご紹介しているので、「デジタルツインってどんな技術?」といった疑問を持たれている方もぜひ参考にしてみてください。

デジタルツインとは?

近年、耳にすることの多い「デジタルツイン」ですが、その正しい意味と定義をご存知でしょうか?導入するしないは別にして、最新技術の基礎知識として把握していただければと思います。

直訳で「デジタルの双子」

デジタルツインとは、言葉の意味としては直訳で「デジタルの双子」。技術的な意味合いとしては「現実空間の情報を仮想空間に再現することが可能な技術」という意味となるため、双子(ツイン)という言葉で表現されていると言われています。 そんなデジタルツインですが、従来まで現実空間で行っていた製造やテストなどを仮想空間で行うことが可能になることから、製造業を筆頭にあらゆる業界で拡大し始めています。

現現実空間の情報を仮想空間で再現

現実空間の情報をデジタル技術によって収集し、その収集したデータをもとに、現実空間と同じ状況を仮想空間に再現する技術というのがデジタルツインです。 近年の通信技術やデジタル技術の進歩によって、さまざまな場所にある現実空間の情報をリアルタイムに取得することが可能になりました。そうしたリアルタイムで取得した情報を仮想空間に再現し、AIを使ってシミュレーションすることで、信憑性の高い数値を導き出すことができます。

「デジタルツイン」が製造業で拡大する理由とは?

デジタルツインの基礎知識について、これまでの内容からお分かりいただけたと思います。そんなデジタルツインですが、さまざまな業界の中でも製造業で拡大が進んでいると言われているのですが、その理由には一体どのようなものがあるのでしょうか?

次はデジタルツインが製造業で拡大される具体的な理由についてまとめたのでご覧ください。

最も効果が期待されているのが製造業

デジタルツインはあらゆる業界で注目を集めていますが、得にその効果を期待できると言われているのが製造業だと言われています。従来の製造業では製造ラインでトラブルが発生した場合、ラインを止めて問題の原因を特定する調査を行い、その調査結果を基にして改善を行うことが必要とされていました。 しかし、デジタルツインを導入することで様々なデータをリアルタイムで収集することが可能になり、ラインを止めることなくトラブルの原因となるものを素早く発見し、改善することができるようになります。また、製造した製品の利用状況を、仮想空間に再現することで利用状況別のデータ蓄積も可能になります。 これにより、体的な利用状況に基づいたデータを用いた製品設計や改善が可能になります。このような理由から、あらゆる業界の中でも得に効果が期待されているのが製造業だと言われています。

試作コストの削減

試作品を製作する場合、従来の方法では材料を取り揃え、実際の工数に近い状況を作って試作を繰り返していました。これには材料費や人件費など複数のコストがかかっていましたが、デジタルツインを活用すれば仮想空間で試作品を再現することが可能になります。 つまり、材料費や作業員を必要とせずに試作品の製作が可能になるため、試作にかかるコストを大幅に削減することができます。さらに、試作段階で問題があった場合も改善点があれば仮想空間上で対応できるため、試作期間の短縮や次回の試作品作成に時間を生かすことができます。

製造ラインの業務・作業の効率化

デジタルツインの活用は、製造ラインの稼働状況や従業員にかかる負荷など、現場データをリアルタイムで収集し分析が可能となります。そうしたデータから製造ラインの業務・作業を可視化し効率化を進めることができます。また、業務や作業を効率化ができれば製造時間の短縮にも繋がるので、生産性の向上も期待できると言えるでしょう。

リスク軽減

新商品を生産する場合、ラインでトラブルが発生したり、不備によって予定通りの生産ができないことがあります。また、不良品の発生による材料や工数の無駄といったリスクも伴います。 しかし、デジタルツインを活用すれば現実空間のデータを基に仮想空間で忠実に再現することが可能なため、実際にラインを稼働させなくても起こりうるリスクの予測・対応・改善も可能になります。

デジタルツインを導入した製造業の活用事例

デジタルツインは国内だけでなく、海外の企業でも活用されています。ここでは、そんなデジタルツインを実際に活用している製造業の活用事例をまとめました。

世界最大の総合電機メーカー「ゼネラル・エレクトリック」

ゼネラル・エレクトリックは、世界最大の総合電機メーカーで知られるアメリカの企業です。こちらでは、風力発電のインフラにデジタルツインを活用し、風向きに合わせた発電量の最大化や風車の劣化予測・寿命の視覚化を行っています。部品の表面状態を撮影し、撮影した画像に回転数や温度などを組み合わせて状態の分析を行い、稼働率を向上させるための対応を取っているそうです。

BIMによるデジタルツインを実現した「鹿島建設」

鹿島建設はBIMを活用したデジタルツインの実現を日本で初めて行ったことで知られる企業です。建設現場を遠隔監視することを目的として、「3D K-Field」と呼ばれるデジタルツイン技術を開発・活用しています。 IoTセンサーを現場の各位置に設置し、そこから取得した人や車などの情報を仮想空間に再現し、建設現場のリアルタイムな状況を可視化しているそうです。

インフラ整備に活用している「シンガポール政府」

シンガポールでは国土の全てを3Dバーチャルツイン化して、都市情報をリアルタイムで可視化する計画「バーチャル・シンガポール」を実施し、インフラ整備に活用しています。この計画にデジタルツインを活用することで、インフラ整備後の変化をシミュレーションし、リアルタイムでの工事情報や交通状況を共有することで、工事の効率化や渋滞の緩和を目的とした検証を行っているようです。

活用することで多数のメリットがある

製造業でデジタルツインが拡大しているのは、活用することで作業の効率化や生産性の向上、材料費や時間などのコスト削減といった効果が期待されていることが考えられます。 また、デジタルツインの技術は国内だけでなく海外の製造業でもすでに活用されています。さらに、製造業以外にもさまざまな業界でも活用されているので、今後は業界を問わずデジタルツインの活用は拡大していくことでしょう。

産業用ロボットに関するお困りごとなら お気軽にご相談ください。

フォームからのお問い合わせ
お問い合わせフォーム
電話でのお問い合わせ
053-401-3450