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工場自動化の実現は「検査工程のロボット化」がカギ!?

コラム
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L-QUALIFIイメージ

労働人口の減少に伴う人材不足によって、各産業において機械やロボットを活用したファクトリーオートメーションの取り組みが加速しています。自動車産業における製造工程では、多くが機械化・自動化され、生産ラインの効率化が進んでいます。一方で、「検査工程」については自動化が進んでいないのが現状です。現在の検査工程では、熟練した作業員の技術や感覚に頼ることが多く、自動化が難しいと言われています。

そこで、産業用ロボット向けソフトウェアの開発を手掛けるリンクウィズから、検査工程における自動化の現状と課題についてご紹介します。

工場自動化が急がれるワケは国内外の人材不足

各産業において労働力不足が叫ばれる昨今、製造業でも深刻な人手不足に直面しています。多くの企業で人材確保が難しくなっている現状について、経済産業省が日本の製造業の課題や取り組みを調査した「ものづくり白書2019」に示されています。

資料によると、製造業における新卒者の就業者数は、ここ数年は増加傾向にあるものの、10年以上のスパンで見ると実に10万人以上も減少しているようです。特に、従業員300人未満の中小企業では、新卒者の就業者数が全国で30万人近く減少するなど、人材の確保が一段と難しくなっている現状が示されています。

グラフ

2019年版ものづくり白書 第3章 ものづくり人材の確保と育成より引用

これを受け、一部の生産を海外工場に移管したり、国内工場では外国人労働者を活用することで労働力不足に対応してきました。しかし、海外においても少子高齢化や労働力の需要増加を受け、人材の確保が難しくなっているようです。
マンパワーグループが発表した「2018 人材不足に関する調査(グローバル版)」では、製造業の生産拠点となるインドや米国などにおける人材確保について、企業からは「苦労している」「非常に苦労している」という回答が約半数を占めるという結果が示されています。

世界的な労働力不足を受け、これからの製造業は人に頼ったものづくりから、「ロボットを活用したものづくり」への移行する必要があるといえるでしょう。

主工程はロボット化が進んでいるが…

主工程はロボット化が進んでいるが…

大手自動車メーカーをはじめとした自動車産業では、生産工程を中心に産業用ロボットを活用した生産ラインなど、ロボット化・省人化が進んでいます。また、大ロット部品を生産する中小企業でも、産業用ロボットの導入に積極的です。

こうした産業用ロボットが使われる現場は多岐にわたり、半導体や溶接、組み立てなど、多くの現場で活用されています。同一品種多生産の現場では、生産は機械、人は監視やトラブル対応などのサポート役という認識も広く浸透しているようです。ところが、未だに自動化や産業用ロボットの導入が進んでいない現場もあります。

これからは検査工程の自動化がポイントになる?

多くの工程でロボット化・自動化が進むなか、取り残されている領域として「検査工程」と「多品種少量生産の現場」が挙げられます。多品種少量生産の現場については後日改めて取り上げますが、今回注目したいのが検査工程の自動化です。現在のインライン検査は、検査員の技術や感覚に頼った目視検査と自動検査機のどちらか、もしくは両方を組み合わせたものが一般的。自動検査機の仕様は、赤外線装置や画像検査機などを生産機に組み込んだものが主流です。

自動検査機は、半導体やプレス生産品といった分野で広く使われていますが、機械で検査できる項目は「寸法や外観検査の一部」に留まっており、それ以外の細かい寸法やバリの有無などは、検査員の目と経験に頼っているのが現状でしょう。特に、複雑形状を持つ部品では機械で検査できないことも多く 、熟練検査員の目や経験で判断するケースがほとんどです。工場のロボット化・自動化を進めるうえで、「検査の自動化」が大きな課題となっています。

検査自動化のカギは「熟練検査員の目」の再現

検査自動化のカギは「熟練検査員の目」の再現

検査工程の自動化を進めるうえで「熟練検査員の目を再現する」ことがポイントです。熟練の検査員は、製品を手に取り、全周を目視により感覚的に “良品”か”不良品”を判断できます。検査自動化の実現には、瞬時に良し悪しを判断できる性能と複雑形状に対応できるシステムの開発がカギとなるのではないでしょうか。

複雑形状への対応

複雑形状への対応は、多関節ロボットの活用が考えられます。赤外線センサや画像検査機を取り付けた多関節ロボットが人の腕のように動き、製品の形状に合わせて動くというもの。一方で、多関節ロボットが行う3次元の動きは、ロボットの動きを記憶させるティーチングと呼ばれる作業が難しいうえに時間がかかるという問題も抱えています。

検査工程自動化の課題とは?

  • 検査員の目と経験を再現する高い検出能力
  • 瞬時に良し悪しを判断できるスピード
  • 複雑な形状への対応
  • ティーチング作業を簡素化する技術の開発

検査工程の自動化には未だ多くの課題があるものの、将来的な「工場自動化」に向けて避けて通れない領域です。本コラムではこれから、こうした工場自動化に向けた新たなイノベーションや取り組みについてご紹介していきます。産業用ロボットについて理解を深めるツールとして、ぜひ活用してみてください。

リンクウィズの「L-QUALIFY」で目視検査をロボット化

リンクウィズの「L-QUALIFY」で目視検査をロボット化

リンクウィズの『L-QUALIFY』を導入すれば様々な検査工程の自動化が可能です。ロボットとソフトウェアの力で熟練検査員の目視検査を再現する取り組みを進めています。

『L-QUALIFY』で実現できること

  • 正確な全数検査により不良流出ゼロに
  • 多関節ロボットとセンサ、ソフトウェアの組み合わせで複雑形状の検査に対応
  • 汎用性の高いロボット検査システムで専用検査治具を不要に

検査工程を人による目視検査からロボットによる自動検査に置き換える、限られた人材の活用にも繋がる『L-QUALIFY』について、まずはお気軽に『リンクウィズ』にお問い合わせください。

リンクウィズは、自律型ロボットシステムソフトウェアの開発・販売・技術コンサルティングを行っているロボットベンチャーです。

みなさまの製造・検査の課題について、ぜひリンクウィズにご相談ください。

導入から運用まで、ハードウェアとソフトウェアにおける、どちらも経験豊富なエンジニアを抱える弊社から、最適なご提案をさせていただきます。

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