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工場の自動化で最低限知っておくべき基礎知識

コラム
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工場の自動化で最低限知っておくべき基礎知識

近年、世界中の製造業では「工場の自動化」が進められています。品質の安定化はもちろん、人材不足への対応など様々な理由がありますが、話を聞いてみると工場の自動化が上手くいっていないという声が少なくありません。その原因のほとんどは、工場の自動化に対する基礎知識が会社全体で共有されていないからです。

そこで、今回は工場を自動化するにあたり最低限知っておくべき基礎知識についてご紹介していきます。工場を自動化することで得られるメリット、また導入時に発生する課題など、事前に知っておくべき情報をまとめてみました。

さらに発展する「工場の自動化」とは?

さらに発展する「工場の自動化」とは?

近年、「スマートファクトリー」「ファクトリーオートメーション(FA)」などの言葉を耳にすることが増えていると思います。これらは工場の自動化を表すもので、1950年代から少しずつ導入が進められていました。現在では、どの工場も何かしらのロボットが当たり前のように導入されていますが、改めてどのようなメリット・デメリットがあるのかをまとめてみました。

人材不足への対応

今や、工場の自動化に産業用ロボットや工作機械の導入は欠かすことができません。これらの機器は製造から検査までのあらゆる工程を人に代わって行うことを目的とされ、これにより人手不足や人員の最適化が進み人件費の削減に繋がります。
人手不足は昨今の製造業が抱える大きな課題で、日本においては今後さらに深刻になることが予想されています。さらに、人材を採用できたとしても「10年、20年前と比べると人材の質が落ちてきている」と多くの企業が口にするようになってきました。人材不足、そして人材の質の低下。こうした問題はロボットの導入が1つの解決策になるでしょう。

生産効率の向上

今までは多くの工場では手作業による製造、検査などが行われていました。そのため、場合によっては時間外作業が必要になる場合も多く、重たい荷物を運ぶ運搬作業にはどうしても時間がかかってしまい作業員の負担も多くなってしまいます。また、疲労によって仕事の品質にばらつきが出るため、人的ロスも考慮しなければなりません。
しかし、人に代わりロボットが作業を行うことで、一定のスピードを保ったまま製造が可能になり、重たい荷物でもスムーズに運ぶことができるようになります。結果的に、生産効率を上げロスを最小限にすることができます。

高品質な製品の製造が可能になる

製品の品質低下は企業の信頼に大きく関わります。自動車メーカーの生産ラインを一時間止めてしまったら…。どれほど深刻な事態か想像がつくと思います。ただ、そうは言っても、ヒューマンエラーは防ぎようがなく、人間の目に頼っていては100%を保証するのは難しいのです。
しかし、産業用ロボットであれば、あらかじめ計算されたシステムに基づいて作業を行うため、人による作業に比べて高性能な作業が可能になります。従来では難しかったインラインでの全数検査などを行うことも可能になります。

デメリットは高額な導入費用とティーチングマン不足

これまでの内容から、工場の自動化には大きなメリットがあることがおわかりいただけたと思います。しかし、自動化には高額な導入費用が必要になるほか、産業用ロボットの導入に欠かせない「ティーチングマン」が不足しているといった面もあります。まず、自動化を進めるのに欠かせない存在の産業用ロボットですが、1台あたり約1,000万円の導入費用が必要になると言われています。そのため、複数台のロボットを導入する場合は、より高額な導入費用が必要になります。
さらに、産業用ロボットへ動作を記憶させるティーチングマンですが育成に時間がかかるうえ、外注しようにも昨今の自動化推進によりティーチングマンのスケジュールを押さえにくい状況が続いています。

導入前に押さえておくべき基礎知識

導入前に押さえておくべき基礎知識

工場の自動化には様々な技術が使われています。特に50年前と比べると、自動化における技術は大きく変容してきています。現代の工場自動化における鍵となる技術をご紹介します。

モノとインターネットを繋げる「IoT」

この記事を読んでいる方の中には、「IoT」という言葉を耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか。IoTとはモノをインターネットに接続する、またはモノ同士で通信を行うことでデータ収集や機器の制御などを行う技術のことです。
つまり、今まで現場まで行って確認する必要があったことが、機器からデータを収集し解析することでオフィスに滞在したまま現状を把握することができるようになります。生産データや機器の稼働状況など、さまざまなデータをその場にいながら確認できるため生産効率の向上につながります。

複雑な処理を可能にする「AI」

人工知能である「AI」は、人間のように自ら学習する「自己学習機能」が備わっています。そんなAIと産業用ロボットを連携させることで、産業用ロボットにより高度な作業を行わせることが可能になります。これにより、将来的には「完全ティーチングレス」の産業用ロボトが実現するかもしれません。

圧倒的な機能性を持つ「5G」

高速・低遅延・大容量の通信が可能になる「5G」は、次世代の新しい通信規格として製造業でも注目を集めています。この通信規格を工場の自動化に取り入れることで、現場から離れた場所からでも生産状況や稼働状況をリアルタイムに確認することが可能になります。
さらに、有線と同様の安定した通信が可能になるので、配線工事が行わなくても高速で安定したネットワーク網を構築できるといったメリットもあります。

導入メリットは多いが課題も多い

導入メリットは多いが課題も多い

工場の自動化は導入メリットが多いだけでなく、デメリットとなる課題も数多く残っていることを知っておく必要があります。導入時の初期コストが高額であることから、中小企業では導入が難しいとも言われています。
また、最も重要な課題となっているのが、工場の自動化の導入を検討する経営層の知識不足です。知識不足の状態では自動化を進めたとしてもビジネスへの有効な活用方法が見出せず、工場によっては自動化に失敗しているところも少なくありません。そのため、こうした課題が残っていることも理解した上で導入を検討する必要があるでしょう。

このコロナ禍において世界中でリモートワークの導入が進んでいます。工場においても、できる限り人が集まらない生産現場を意識していく必要があるでしょう。そんな新しい働き方に、5GやIoTといった自動化のテクノロジーが一役買うことは間違いありません。

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