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ロボットをセンサのように使う。リンクウィズの発想とは?

コラム
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製造業は常に革新の波に立ち向かいながら技術の進歩を続けています。その中で、産業用ロボットは生産現場の効率化と品質向上の鍵となるツールでとなり、リアルタイムにデータ収集をしたり、製造・検査を行うといった発想は製造業の未来を大きく変えていきます。

現在、産業用ロボットの導入といえば「省人化」を目的に導入されることがほとんどだと思いますが、我々、リンクウィズの考え方は少し異なります。
リンクウィズの先進的な技術は工場の効率化はもちろん、人の仕事をサポートすることで、人材不足の解消や新しい工場の形を推進する役割を果たしています。
「人は人にしかできない仕事に特化して付加価値を生み出す」という思想のもと、産業用ロボットの導入は省人化ではなく、人が本来集中すべき仕事に集中するためのツールだと考えてきました。

では逆にロボットにしかできないことは何なのでしょうか?
精度の高い繰り返し動作はもちろん、24時間稼働できることやセンシング、稼働状況や生産データの取得といったDXを見据えた工場を構築できるところも強みです。

この記事では、それぞれの魅力を明らかにしながらリンクウィズが見据える工場と人とロボットの関係性を考えていきます。

ロボティクスとセンサ技術の融合

現代の工場では至る所でカメラやセンサといったデジタル機器が使われ、製造から検査、出荷に至るまで自動化やデータ化が進んでいます。これらは近年の製造業において特段珍しいことではありません。しかし、リンクウィズの発想はこれを一歩進め、ロボットにカメラやセンサを組み込むことで、製造や検査工程の自動化を行い効率化を図ることで人の仕事のサポートを行うことを目指しています。
例えば、溶接工程でティーチングを不要にする「L-ROBOT」やインライン向けの3Dロボット検査システム「L-QUALIFY」がそれにあたります。リンクウィズではロボットの頭脳となるソフトウェアを開発し、製造現場に変化をもたらしてきました。

これはロボットとソフトウェアの融合だけで終わる話ではなく、DXも関わってくる領域です。ロボットを使って取得した溶接結果や検査結果を集約し、データをクラウドに格納することで、工場外で生産工程の分析を行なったり、前工程、次工程とのデータ連携をシームレスに行うことができます。

たとえば、一時加工のメーカーが商品を出荷したとします。納品を受けた会社が入荷検品をして、その時に不良品が見つかりました。その時に一時加工メーカーの生産・検査データが手元にあれば当時の製造条件や検査結果を確認ですることができます。一方、生産・検査結果データがデジタル化されていない場合、まずは検査データを探すところから始まります。つまり、データがデジタル化され、共有されていることで不良品が出たときの初動対応が変わってくるということになります。
今後は、自社内だけではなくサプライチェーンでデータを共有することで、素材から製品になるまで全ての工程を管理することができるようになります。こうしたテクノロジーの進化により、現場の変化だけにとどまらず、働き方も変化させていくことができます。省人化だけを目的とするのではなく、働き方まで変化させていくことが私たちの目指している未来です。

ロボットが得意なことは、ロボットに任せる

産業用ロボットは繰り返し精度が高いことは言うまでもありません。人間が同じ速度、同じ精度を維持しながら24時間働くのは不可能です。なので、リンクウィズはこうしたロボットが得意な分野はどんどんロボットに任せたほうがいいと思っています。
たとえば、生産工程に欠かせない人の目による目視検査。
全数検査が理想ですが、ものの大きさや生産スピードによっては抜き取り検査になってしまい、全ての製品品質を担保することができません。
そこで、リンクウィズの「L-QUALIFY」を使って検査工程をロボットによる全数検査に置き換えることで、検査精度を向上させ不良品の流出を未然に防ぐことができるようになります。インラインでの自動検査は人に任せるよりも、ロボットに任せたほうが効率が良く、検査データを残すこともできるので、問題が起きた時に検査データを見返せるという特徴もあります。

人とロボットの協働が溶接現場の未来を変える

今まで職人技とされてきた溶接ですが、ロボット技術の進化によりその概念は変わりつつあります。
繰り返し精度の高いロボットを使うことで溶接工程を自動化し、溶接部品の大量生産が可能になりました。しかし、その一方でロボットの繰り返し精度の高さが仇になり、ワークの製造誤差による溶接ズレが起き、人による溶接であれば調節できた不良品が発生するようになりました。
そこで、溶接ロボットにリンクウィズの「L-ROBOT」を組み込むことで産業用ロボットに目(3Dスキャナ)と脳(L-ROBOT)をもたらすことができます。これにより、溶接前にワークをスキャンし、解析することで前工程で起きたズレを認識し、ズレに合わせた溶接を行うことができるようになります。

また、技術伝承は製造業が直面している大きな問題で、熟練した職人の知識と技術をいち早く次世代に伝えることが求められています。その問題を解決するのがL-ROBOTのような解析ソフトウェアで、その力が製造業に新しい可能性をもたらします。
溶接の現場においても、ロボットとソフトウェアの精度が上がれば、より複雑な形状の溶接が可能になっていくでしょう。また、熟練の溶接職人が全ての溶接を行うのではなく、ロボットには簡単な溶接を、人には人にしかできない難しい溶接を割り振るといった作業の分担を行うことで、熟練の溶接職人の手は空き、さらに高付加価値の製品を作っていくことができるようになります。

リンクウィズは産業用ロボットに目としてのスキャナーを取り付け、そこに脳となるソフトウェアを授けます。従来の「ロボットには繰り返し動作をさせればいい」という考えとは違った目線で、働く現場を見ています。単純に人を現場から減らすのではなく、自分が考えて動けるロボットが現場に入り、人の仕事をサポートしてくれる。リンクウィズはそんな製造現場を構築すべく日々研究・開発を進めています。

新しい発想で現場を変え、働き方を変え、付加価値を上げていく

近年の製造業ではロボットとセンサ技術の融合により、リアルタイムのデータ収集と解析が可能となり、生産の効率化と品質向上が図られています。産業用ロボットがインラインで繰り返し同じ動作をするものと思っている方には新しい考え方だったかもしれません。
リンクウィズが考える産業用ロボットは、センサとソフトウェアを搭載し、人とロボットのいいとこ取りをしたものです。繰り返し動作ができるだけでなく、ワークのずれなどを認識し、ロボット自ら考え、動き方を変えることができれば、生産工程での活用はもちろん、検査工程でも活用の場が広がっていきます。
これからもリンクウィズの技術は、製造業における働く現場の未来を明るく照らし、持続可能な成長と道を切り拓いていきます。

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