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レーザー溶接の今後は?ロボットの活用と世界的需要の変化に注目するとわかること

コラム
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さまざまな生産現場で活用されている「溶接」ですが、近年では、より効率的、高精度に溶接が行える「レーザー溶接」の導入がすすめられてきました。さらに、ロボットとソフトウェアの進化によって、難しいと言われていたレーザー溶接の自動化も可能になりレーザー溶接の普及はますます加速しています。
この記事では、そんなレーザー溶接の今後について、ロボットの活用と世界的需要の変化に注目してわかることをご紹介していきます。

「レーザー溶接ロボット」とは?

レーザー溶接ロボットは、レーザー溶接機と専用のソフトウェアが備わっており、効率よく正確な溶接を行うことができます。
近年ではAIによってロボット制御を行うシステムも増え、制御精度が高く、高品質な仕上がりで美しい見た目へと仕上げることも可能になりました。複雑な形状は難しくとも、正確な溶接を行うことができるので、熟練工が不足している企業でも高品質な製品の製造をおこなうことができます。
さらに、ロボットを活用することで人的ミスを減らすことができるので、製造品質が安定している点もレーザー溶接ロボットの特徴です。また、溶接自体が体への負担のある作業ですが、それをロボット化することで従業員への負担を減らすことも可能です。

レーザー溶接にロボットを活用するメリット

国内だけでなく世界中で活用されているレーザー溶接ロボットですが、導入することでどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、レーザー溶接にロボットを活用するメリットについてまとめてみました。

品質の安定・向上

溶接に限ったことではありませんが、製造業では人が作業を行った場合、品質にムラができてしまうのは当然のことです。
一方、ロボットは事前に指定した条件や工程に従って繰り返し動作を行うため、集中力や疲労などを気にする必要がありません。そのため、安定した品質が期待できます。

生産時間の短縮

ロボットは一定の速度を保ちながら作業をおこなうため休憩の必要がありません。しかし、人が作業を行う場合、熟練度によって作業スピードが異なり、一定の時間で休憩も必要になります。
そのため、ロボットを活用したほうが生産時間を短縮することができるので、同じ時間でもより多く生産することが可能になります。生産効率が向上すれば納期を短縮することができるので、より多くの依頼を受けることができるようになります。

労働環境の改善

レーザー溶接をはじめとする溶接作業は、人体に悪影響を与えるリスクがあります。しかし、溶接作業をロボットに置き換えることで、作業員は溶接に立ち会う必要がないので作業に伴うリスクを回避することができます。
また、作業内容によっては辛い体勢での作業が必要なため、ロボットを活用することで作業員の肉体的な負担を軽減できる点もメリットのひとつと言えるでしょう。

人手不足の解決

ロボット導入の大きなメリットとなるのが人手不足の解消です。単純な作業をロボットに任せ、より複雑な作業を人が行うことで、今まで不足していた高度な作業が行える人材を内部から調達することができるようになります。

レーザー溶接のこれから

レーザー溶接ロボットには、産業用ロボットと協働ロボットの2種類があり、今後は協働ロボットによるレーザー溶接が主流になることが予想されています。というのも、産業用ロボットは性能的には問題ないものの、ティーチング面で頭を悩ませているのが現状です。
協働ロボットはティーチングペンダントを使わずにティーチングができる「ダイレクトティーチング」が可能となっています。それ以外にも産業用ロボットにくらべ、設置に関する規制が少なく、周辺設備コストも抑えることができます。

今までは、ロボット設置に関するコストや、動作させるための人員教育など「ロボット導入はハードルが高い…」と思われていましたが、協働ロボットの普及により中小企業でも導入しやすい環境が整い、今後のレーザー溶接には協働ロボットが活用されることが多くなってくると言えるでしょう。

レーザー溶接で活用する協働ロボットの導入手順

ここでは、レーザー溶接ロボットとして活用する協働ロボットの導入手順と注意点についてまとめました。レーザー溶接に限らず、協働ロボットを溶接用として導入検討されている方は是非ご参考ください。

手順その1:必要な条件に基づいたロボットの選定

まずロボットを導入する際には、設置スペースや動作環境、生産目標などの制約条件を明確にしておく必要があります。そして、整理した条件を元にロボットサイズや導入コスト、精度や速度などの仕様を整理してロボットを選定しましょう。

手順その2:リスクアセスメントを実施

ロボットの選定を終えて実際に導入するには、作業だけでなくティーチングの手順も含めてリスクアセスメントを行います。もしも許容できないものが発覚した場合には、リスクを低減するための対策を行い、現場の作業員へ結果を周知しましょう。

手順その3:ティーチング

ロボットの設置が完了したらティーチングを行います。ティーチングはロボットに作業動作を記憶させるために必要な工程です。また、ロボット動作以外にも溶接条件の調整を行う必要があります。ティーチング作業を終えて問題がなければ、実際に溶接作業を開始します。

今後のレーザー溶接は協働ロボットが主流になる

近年、導入が進められている溶接ロボットには産業用ロボットと協働ロボットの2種類があり、将来的には活用メリットの多い協働ロボットが主流になることが予想されています。

協働ロボットは初心者でも容易に操作できるため、ティーチングマンの育成や外注コストを抑えることができ、設備面と併せて、導入のハードルが低くなっています。これにより、今まで導入を躊躇していた中小企業もレーザー溶接のロボット活用が可能になり、課題の解決につながるでしょう。

しかし、目的によっては産業用ロボットでなければならない場合もあります。まずは導入目的を明確にし、協働ロボットで目的を達成できないのであれば、産業用ロボットの導入を検討してみましょう。

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