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工場のスマート化で役割が激変!?今後、現場で働く人に求められる仕事とは?

コラム
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ドイツ連邦政府が進める製造業の国家戦略プロジェクト「インダストリー4.0」がきっかけとなり、世界中で工場のスマート化の取り組みが加速しています。さらに、最近では新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって、工場の自動化はもちろん生産ラインの在り方も問われています。
そんな工場のスマート化ですが、人がおこなっていた作業の自動化や効率化ができると言われており、少子高齢化が進む日本では、いかに省人化するかがカギになってきています。 しかし、工場のスマート化を実現したからといって人の手が一切不要になるわけではありません。それでは、これからの時代、製造業で働く人に求められる役割は一体どのようなものがあるのでしょうか?

この記事では、スマート化が進むこれからの工場と求められる人の役割についてご紹介していきます。

スマート化とは?

近年、製造業で推し進められている工場のスマート化。産業用ロボットやIT技術を活用することで、製造業が抱える様々な課題の解決が期待できると言われています。

「スマート化ってよく耳にする言葉だけど詳しいことがわからない…」
「今は困ってないから自社には関係ない」

この記事を読んでいる方の中にはこのような方もいると思います。しかし、自動化やITはこれからの製造業を生き抜くためには欠かせない技術となっています。
時代に乗り遅れないためにも、工場のスマート化についてひとつひとつ見ていきましょう。

IT技術を活用した生産活動

工場のスマート化とはデジタルデータを活用し品質や生産性の向上を継続発展的に実現する工場のことです。 具体的には、モノとインターネットを繋ぐ「IoT」や人工知能である「AI」、人の手や腕に変わって作業を行う「産業用ロボット」など、このような最先端の技術を取り入れた工場のことを指します。
そんな最先端技術を活用することで、品質や生産性の工場が実現し、最適な生産活動が行えるようになります。これまでの製造業では、豊富な経験を積んだ管理責任者や技術者など、どうしても人の手に頼った工程管理・作業が求められていました。 しかし、スマート化の実現により、生産性や効率化の工場はもちろん、さまざまな面で柔軟な対応が可能になります。

製造業が抱える課題を解決

現在の日本では少子高齢化が進み、この状態が長期的に持続する可能性が高いと言われています。そのため、あらゆる業界が人手不足に陥ると考えられています。この状態は製造業にも大きな影響を与えており、近い将来、人材確保が一番の課題となりそうです。
また、就業者数が減少傾向にあることが産業省の調査結果として公開されています。こうした課題を解決する方法として、工場のスマート化は非常に効果的だと言われています。たとえば、スマート化を実現することができれば、単純な作業やチカラのいる作業は人の手を必要としなくなるため、年齢的に体力が劣っている高齢者でもムリなく働いてもらうことが可能になり人手不足の解消が期待できます。

技術力の継承が可能になる

日本の製造業は高い技術力が世界的に評価されています。しかし、人手不足のため後継者が見つからず、技術の継承が非常に難しい状態です。この状態が持続すると競争力の低下にはもちろん、日本の伝統的な産業が消滅してしまう恐れもあります。
実際に、技術継承に取り組みつつ成功しているのは一握りの工場だけだと言われています。しかし、工場のスマート化によって熟練工の技術をデータ化して収集・解析することが可能になり、直接引き継ぎができなくても、技術者の育成や産業用ロボットで再現させるなどの技術継承ができるようになります。 そうすることで技術者不足を解消することができるため、競争力の低下を防ぐことも期待できます。

生産性の向上

現在の製造業は、多種多様な製品の少量生産対応や生産コストの削減、品質向上などの要求に対応するのに非常に厳しい環境であると言われています。
しかし、工場のスマート化が実現できれば、生産設備や稼働状況の最適化が可能になり、効率の良い生産ができるようになります。さらに、トラブルの予兆を発見したり、発生原因の特定や検査工程での不良品流出などの早期発見が可能になります。 つまり、工場のスマート化は品質の向上にも繋がるといったメリットもあるため、製造業をはじめとした様々な業界で工場のスマート化実現に向けた取り組みが進められています。

スマート化が進むこれからの工場

これまでの内容から工場のスマート化についてお分かりいただけたかと思います。
そんなスマート化が進むこれからの工場とはどのように変化していくのでしょうか?ここでは、スマート化が進むこれからの工場についてまとめてみました。

IT技術の需要は年々増加していく

スマート化を実現させるIT技術によって、省人化や人員の最適化が期待できます。さらに、生産性や品質向上などの効果も得られるため、IT技術の需要は年々増加しています。
また、AIは今後さらに進化していくことが考えられるため、将来的には現在では考えられないまったく新しいものづくりが可能になるのではないかとも言われています。

AIの導入・進化によって工場も変化する

これまで工場では人によってさまざまな作業がおこなわれていましたが、AIの導入・進化によって産業用ロボットと人が協働した体制に変化することが考えられます。ロボットとAIを組み合わせることで高度な自動化が可能になり、人の手による作業を最小限にすることができます。
また、AIが進化することで現状のロボットではできないことが可能になり、新しい仕事ができるようになると言われています。さらに、製造業では多種多様な商品を低コストで生産が実現したり、完全な無人化も実現するのではと言われています。

スマート化が進むと課題も変化する

工場のスマート化が進むことで製造業が抱える課題も変化してきます。少子高齢化やスマート化の推進によってIT技術者が不足しているため、元々働いていた作業員の人手不足は解消できたとしても、専門的な知識・技術を持つ人材の確保が難しくなるケースが発生します。
また、製造業が使用している化石燃料やレアメタルなどの材料価格の高騰が予測されています。そのため、必要な材料を安く調達する、もしくは代わりとなる材料の調達などがこれからの工場が抱える課題になると言われています。

スマート化が進むことで人に求められる役割とは?

工場のスマート化が進めば作業の自動化や効率化が可能になるため、製造や検査などの作業現場の省人化が可能になります。しかし、IT技術の活用にはどうしても人の手が必要になります。自動化により省人化が進んだ後は「人員の最適化」が必要になります。今まで培ってきたノウハウを別の領域で活かすことで、より発展したスマート化を目指すことができます。

生産管理

生産管理は事後はもちろん事前の保全体制も求められており、現場で使用する機器やロボットをIoT化することで実現可能となります。生産に必要な情報を一元管理することで、調達ミスによるトラブルや機器の故障を未然に防ぐことが可能になります。今まで一つ一つ管理していた情報を一元管理することでより効率的な生産を可能とするポジションになります。

現場オペレーター

近年、新型コロナウイルス感染拡大によってソーシャルディスタンスが徹底されています。オペレーターはそうした安全確保を行う役割となり、現場の異常が確認された場合は早急に対応する必要があります。対応が遅れてしまうとラインが停止し、生産ができなくなってしまいます。そういったリスクを最小限に抑えるために、常に状況を把握し、トラブルがあった際には関係部署と連携を取って現場をスムーズに回す重要な役割です。

スマート化が実現しても人には重要な役割がある

IT技術の発展により、工場のスマート化は今後より加速していくことでしょう。これによって現場の省人化が可能になりますが、ご紹介したように人には人にしかできない重要な役割が必要になります。
今後の製造現場では従来のように単調な作業を行うだけではなく、より高度な役割が我々には求められるようになりそうです。

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